基本的な考え方
大塚グループは、画一的な組織の枠組みを超え、異なるバックグラウンドや視点を持つ人々が闊達に意見を交換し、新たなアイデアを生み出すことが、経営判断に深みをもたらし、新たなビジネス機会の創出や、競争力の強化につながると考えています。魅力的な人財をひきつけ、その能力を継続的に開発し、それらが最大限発揮されることを目指すとともに、グループ内外とのコミュニケーションを促進しています。固定観念にとらわれない職域や領域を超えた人的ネットワークの構築により、イノベーションの持続的な創出と人的資本価値の最大化を追求しています。

人財育成方針
イノベーションを生み出すのはいつの時代も「人」です。当社グループは、魅力的な人財を引きつけるとともに、各人の能力を継続的に開発し、それらが最大限発揮されることを目指しています。世界各国で事業を展開する中、企業文化や理念を深く理解し、グローバルな舞台で戦略を実行できる人財が必要不可欠です。当社グループは、一人ひとりの従業員が失敗を恐れず新しいことに挑戦し、多様な「個人の能力」を高める人財育成を推進しています。さらに、グループ内外でのコミュニケーションを積極的に促進し、固定観念にとらわれない職域や領域を超えたネットワークを構築することで、イノベーションの持続的な創出を追求しています。
事業戦略と連動した人材戦略
当社グループは、戦略的な人的資本投資と全社的な組織力強化に向け、人事部門と事業部門の連携強化のほか、さらに深化した情報分析と意思決定を実現するための人財に関するデータの基盤整備や、KPIマネジメントを通じた人事施策を推進しています。人事部門のグローバル連携も強化し、担当役員と海外主要事業会社の人事責任者を中心に、個社を超えた連携と事業マネジメントの各社協業推進、組織横断的な人財登用、人財育成、戦略的要員計画などについて議論を進めています。
具体的な取り組み
イノベーションを生み出す人財育成
経営人材・グローバルリーダーの育成
大塚ホールディングスは、国内外を含む大塚グループ全体の従業員を対象に、経営人財として必要な人財像やビジネススキルを学ぶプログラムを展開しています。経営幹部主催の合宿の開催、グローバル教育機関仏国INSEAD Business Schoolとのカスタム・プログラムの展開、世界6カ国18校の海外ビジネススクールへの派遣など、グローバル経営について多角的に学ぶ機会を提供しています。各事業会社でも積極的に独自のプログラムを実施し、業種業態に即した多様な視点から、グループ全体で次世代経営人財・グローバルリーダーの育成を図っています。
2024年研修実施例
| 主催会社 | タイトル | 研修内容/目的 |
|---|---|---|
| 大塚ホールディングス (参加対象:グループ従業員) |
40代次世代リーダー研修 | 全体を俯瞰する力を強化し、文化・理念を軸に全社戦略と変革を担うグローバル経営人財を育成する |
| 30代次世代リーダー研修 | 企業哲学を基盤に、世界で活躍する実行力を持ち合わせた次世代リーダーを開発する | |
| グローバルリーダー研修 | 多国籍の参加者と共に理念を内在化し、経営人材としての人間力と経営力を高める | |
| Harvard Management Mentor | オンライン学習プラットフォーム | |
| 大塚製薬 | 海外赴任前研修 | 赴任後の異文化環境への適応と業務パフォーマンスの最大化を目指す |
| Career Infusion | 海外で活躍する社員から業務や異文化対応を学び、視野を広げる | |
| コーチング研修 | 管理者層にコーチング機会を提供し、ピープルマネジメント力を強化する | |
| Business English Program | 実践的なアウトプットを重視し、英語コミュニケーション力を向上する | |
| ロジカルシンキング | 論理的思考の基本を理解し、課題解決に活用するスキルを習得する | |
| 社内英語試験 | 年に1回自身の英語力を把握し、学習計画を立てる | |
| マネジメント研修 | 半期に1回マネジメントの知識スキルをアップデートする | |
| 対話コミュニケーション研修 | 対話コミュニケーションの内容を中心に全社員のリーダーシップ発揮を支援する | |
| その他人財育成サポート | 内省・自己理解をサポートするアセスメントを実施し能力開発にいかす | |
| 大塚製薬工場 | 次世代経営リーダー育成プログラム、フォローアップ研修 | 会社・自部門の新たな姿を描きその実現をリードする、次世代経営リーダーに必要なスキルとマインドを学ぶ |
| Next Leadership Training | 次世代リーダー候補として組織を牽引し、戦略実現に貢献する力を養う | |
| その他人財育成サポート | 公募型自己学習、オンライン語学講座等 | |
| 大鵬薬品工業 | 大鵬塾(階層別) | グローバル経営人材候補として課題解決力と異文化対応力を強化し、将来のリーダーを育成する |
| リーダーシップ研修 (女性社員のみ) |
講義と交流を通じてキャリアを再考し、社外ネットワークを構築する | |
| 7つの習慣ワークセッション | セルフリーダーシップを高め、組織風土改善と成果創出を目指す | |
| その他人財育成サポート | 資格取得奨励金、通信教育学習費用等 | 大塚化学 | 次世代リーダー研修 (社長講義) |
新規事業提案を目標に、経営視点と異文化対応を学ぶ |
| 次世代リーダー研修 (外部講師) |
事業提案に必要なプロジェクト管理やプレゼン力を習得する | |
| その他人財育成サポート | MBA資格取得支援、資格取得報償金、通信教育学習費用等 | OAPI*1/OPDC*2 | 次世代リーダー研修 | 文化理解と価値創造を軸に、リーダーシップを再考し企業連携力を高める |
| その他人財育成サポート | 外部学習費用償還等 | Pharmavite | Catalyst | リーダーシップスキルを強化し、次世代マネージャーとしての成長を促す |
| ディレクター選抜研修 | 次の役割に備え、リーダーシップ力を高める | |
| 部門長選抜研修 | 次世代役員候補としての適性を評価し、成長課題を明確化する | |
| その他人財育成サポート | 外部学習費用償還等 |
- *1大塚アメリカファーマシューティカル社
- *2大塚ファーマシューティカルD&C社
グローバル人財育成
世界的なビジネス環境に対応し、グループ全体の競争力をさらに強化するため、大塚グループでは、異文化間でのリーダーシップやチームワークの能力を発揮できる人財や、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を理解し、自己成長の意欲を持ち、企業理念や文化を体現できる人財の育成に注力しています。大塚ホールディングスは、米国Harvard Business Publishingが提供する学習プラットフォーム「Harvard ManageMentor®」を国内外のグループ従業員に提供しています。本プログラムは、自己学習に加え、大塚グループ間の人財交流のプラットフォームとして、ウェビナーの開催や、グループ内受講者とのネットワーク構築促進のためのさまざまな取り組みに活用されています。2020年の開講以来、33の国と地域にわたる75のグループ会社から、合計7,400人以上が本プログラムを受講しています。

大塚製薬では、グローバルビジネスへの参画を目指す若手社員を対象に、異文化理解および業務についての理解を深化させるため、グローバルに活躍する社員とのコミュニケーションの機会を設けています。さらに、海外赴任を予定している社員には、1年間にわたる準備期間を設け、赴任後の異文化環境への適応と業務パフォーマンスの最大化を目指した赴任前研修を実施しています。本研修では赴任に必要な財務、法務、コンプライアンス等の知識習得に加え、アセスメント分析を通じて問題解決力や対人スキルの自己理解を深め、企業の代表者としてのマインドセットの確立を促すプログラムを提供しています。
デジタル人財の育成

デジタル化の進展は、働き方やビジネスモデルの変革を促し、柔軟な対応を可能にします。そのため大塚グループでは、デジタル化の推進を個々の働き方や価値観の最大化、競争力の強化、そしてイノベーションの創出に結びつけるべく、デジタル人財の育成に注力しています。大塚ホールディングスでは、グループ全社員対象のデジタルスキルやデザイン思考に関するセミナーを開催しているほか、個々のスキルレベルに応じて、学習ツールの提供や、専門性を強化する研修も行っています。また、経営層を含む全従業員がグループ内の成功事例を共有することでノウハウを蓄積し、その再現を目指すとともに、協力体制による業務改善や新たなイノベーション創出を目指しています。

研究開発人財の確保・定着への取り組み
大塚グループは、イノベーションの持続的な創出と企業競争力の強化のために、研究開発人財の確保とその定着を重視しています。創薬部門では、新たな視点からの問題解決やイノベーションの持続的な創造を目指し、専門知識と視野を持つ博士号保持者や、国内外のアカデミアからの研究者を積極的に採用しています。さらに、国内外の研究所間の人財交流や異なる部門への人財ローテーションを通じて、広範囲の知識獲得、専門性の強化、そして多角的な視点の育成に努めています。新薬開発部門では、部門独自の公開型語学研修や選抜型の次世代リーダー研修を行い、環境変化に対する柔軟な対応と、グローバル開発推進のための人財育成に注力しています。
多様な研修制度
企業文化の伝承
大塚の文化を伝える
「企業理念を実現する人財の育成と環境整備」をマテリアリティの一つとして掲げた2024年より、大塚ホールディングスが事務局となり、国内主要事業会社の人事教育担当者が参加する教育担当者研修を実施しています。担当者が自らの言葉で大塚の歴史や企業理念を伝えることができるよう、グループの施設見学やワークショップを開催しています。各社の成功体験や課題を共有するとともに、グループ横断的な施策やイベントの企画などを通じて、従業員の企業理念の理解と共感を醸成し、グループ全体の一体感を強化するための環境を整備しています。2025年度は大塚グループ新入社員を対象に、大塚国際美術館にてグループ入社イベントを合同開催。グループ全体での連携を実際に体感できる機会を提供しました。
また、欧米・アジア・日本のグループ従業員13名の編集委員が企画・発行しているグローバル情報誌Health―Inventive & Preventiveは、大塚グループの企業理念、企業文化、経営の考え方などの浸透を目的とし、経営層からのメッセージ、グループ会社の事業、国や地域を超えたチームの活動、サステナビリティ、注目すべきニュースやイベントを世界のグループ従業員に発信しています。2024年10月には東京と徳島にて、編集委員が発刊の目的や読者層の確認、今後の情報誌のトピックやデザイン、さらには各社での大塚文化の伝え方の状況などについて議論を交わしました。
企業文化・理念のさらなる浸透~100周年の取り組みを通じた人材育成~
2021年9月、大塚グループは創業100周年を迎えました。それに伴い、2021年9月からの1年間を「100周年Year」と位置づけ、歴史を学び未来を創る機会としてグループ全体でさまざまな取り組みを進めました。その一つとして、大塚グループ発祥の地である徳島に、100周年記念施設(社員研修施設)を開設しました。施設は大塚の文化を体感する展示棟と、未来を創る研修棟で構成され、これからの大塚を担う人材育成の場として活用していきます。また、グローバルのグループ社員を対象として、次の100年に向けて大塚が取り組むべき構想を募集する社員参加プログラム「Go for 2050 / DISCOVER NEW HEALTH」も実施され、世界中から多くの社員が参加しました。100周年Yearの最終月である8月には、最終選考を通過した「大塚らしい構想」を提出したチームによるプレゼンテーションが100周年記念施設で実施され、その模様は世界のグループ社員にもライブ配信されました。社員一人ひとりが未来に目を向け、新たなヘルスケアを真剣に考え行動する機会となったとともに、世界中のグループ社員が一つとなり、新たな1歩を踏み出しました。
発想の転換を促す「能力開発研究所」
"頑固な先入観を取り除き、創造的な人材を育成すること"
この言葉を実現し、自らがユニークな会社であり続けるために、1988年3月、グループ発祥の地、徳島に社員の研修施設として「能力開発研究所」を設立。当研究所のテーマである「発想の転換」を象徴する「巨大なトマトの木」をはじめとして、「実証と創造性」を具現化した3つのモニュメントを展示しており、新入社員は毎年この施設で研修を受けています。

キャリア自立支援
社内公募制度・自己申告制度
大塚グループは、従業員の能力やモチベーションの向上、グループ会社の人財交流の活発化を目的とし、グループ会社が必要としているポストや職種の要件を従業員にあらかじめ公開し、応募者の中から必要な人財を登用する社内公募制度を、日本国内のグループ従業員に対して提供しています。また、従業員のさらなる能力開発、適正配置、職場環境改善などを目的に、現在の職務状況、職場への意見や提案、キャリアプランの希望などを人事部に申告できる自己申告制度を提供しており、年1回の調査を実施しています。なお、2024年現在、大塚ホールディングスは、年齢によらず自律的な学びや経験を通じてスキルを磨き、積み上げていくキャリア像を「プラチナキャリア」とし、プラチナキャリアの取り組みを積極的かつ継続的に行っている日本企業で構成された「iSTOXX MUTB Japanプラチナキャリア150インデックス」に選定されています。
人事インタビュー・上司・部下とのコミュニケーション
大塚製薬では人事部が全社員と個別の面談を行うことで、社員の声を直接聞きフォローできる人事部インタビュー制度を取り入れており、年間1,500人以上との対面による面談を実施しています。

また大鵬薬品では、人事部員のうち、10名以上がキャリアコンサルタント※などの資格を有し、社員各人が目指すキャリア開発のサポートを積極的に行っています。社内の有資格者とキャリア相談をする「キャリア相談室」からさらに一歩踏み出し、2021年より管理職向けの「キャリア面談ガイドブック」を配信し、上司と部下がオープンにキャリアについて対話できる仕組みへと発展させています。それらのベースとして、社員が深く自身のキャリアについて考えるツールとして内製で開発したキャリアデザインシートを展開し、広く活用されています。
- ※キャリアコンサルタントとは、学生、求職者、在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職である。2016年4月に職業能力開発促進法にキャリアコンサルタントが規定され、国家資格となる。
外部機関を活用した学習支援
グループ各社では、外部機関のe-learningを活用した自己学習支援の導入などを実施し、社員が自己成長・自己実現できる機会を提供しています。
大塚化学では、さまざまな分野の試験費用・資格取得時の奨励金を支給する資格取得支援制度のもと、社員の能力や知識の向上を積極的にサポートしています。また大塚倉庫では、「よいインプットがよいアウトプットを生む」という考えのもと、挑戦したいと手を挙げた社員がビジネススクールを受講できる制度を設置しています。
社員への評価とフィードバックプロセス
グループ各社では、組織目標に基づく個人の目標設定と上司によるフィードバックを半期ごとに実施しています。目標設定時には上司と面談を実施し、また社員の自己評価に対して上司が評価・フィードバックサイクルを回すことで人財育成につなげています。
2020年からは、社員の目標・評価、研修、優秀人財の抜擢、登用、育成など、人財データを一元管理するシステムを導入し、人財育成や組織力の最大化を図っています。
