人材育成

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基本的な考え方

イノベーションを生み出すのはいつの時代も「ヒト」です。大塚グループでは、魅力的な人材をひきつけ、各人の能力を継続的に開発し、それらが最大限発揮されることを目指します。また、グループ 内そして社外とのコミュニケーションの積極的な促進、固定観念にとらわれない職域や領域を超えたネットワークを構築することで、イノベーションを永続的に創出していきたいと考えています。

世界各国で事業展開する中、企業文化・理念を深く理解し、世界を舞台に戦略を実行できる人材が必要不可欠です。新型コロナウイルス感染拡大を契機とした社会の新たな変化、地政学的リスクの深刻化など、さまざまな変化に対応することが求められています。そのような中、大塚グループでは、一人ひとりの社員が失敗を恐れず新しいことに挑戦し、多様な「個人の能力」を高める人材育成を目指しています。

経営の真髄(企業文化)

具体的な取り組み

新たなイノベーションを生み出す仕組み

経営人材・グローバルリーダーの育成

社長主催の合宿

持続的な成長を支える人材を継続的に発掘し、グローバル経営人材を育成することを目的に、大塚ホールディングスでは、世界中の社員を対象にした独自の人材育成プログラムを実施し、外部機関とも連携してより効果的な人材育成を目指しています。大塚ホールディングス経営幹部のコミットメントのもと、大塚創業者のリーダーシップや大塚独自の事業の捉え方を踏まえ、これから経営人材として求められる人材像やビジネススキルを学習・議論しています。本プログラムの一環として、社長主催の合宿を年9回開催しているほか、海外のビジネススクール6か国18校にも派遣し、グローバル経営を多方面から議論しています。毎年各社から約60名を選抜し、8期目となる2022年末までに延べ257名が参加しています。

デジタル人材の育成

日常業務に必要な能力を高めることを目的として、デジタル人材の育成にも注力しています。全社員を対象としたデジタルスキルやデザイン思考に関するセミナーや、自分のスキルに応じて学べる学習ツールを提供しているほか、専門性を強化する研修も開催しています。また経営層も含めグループ内の好事例を共有し、成功ノウハウの蓄積とその再現に向けてグループ内で協力しあうことで、業務の改善および新たなイノベーションの創出にもつながっています。その他にも社内外のデジタル化関連情報を発信・共有するグループ共通の推進ポータルを2021年に開設しました。大塚メディカルデバイスでは、医療分野へのAIの活用やメタバースについて学ぶ「先端医療勉強会」を開催しました。

また大塚倉庫では、物流業界の課題解決にはIT技術の活用が必須であるとの認識のもと、社員一人ひとりのITリテラシー向上のため、社内勉強会の開催や受験料の補助などを通じてITパスポート試験合格を推奨しています。合格後も年間を通じてのIT技術向上のための研修カリキュラムを組むなど積極的な取り組みを行っています。

デジタル人材の
グループ横断育成
  • 経営層を中心とした勉強会「AIフォーラム」
  • データサイエンティスト研修
  • 自分のスキルに応じた学習ツール(e-learning)の提供
データサイエンティスト研修:年1回
*2022年度テーマ:データの量と質
延べ参加人数:1,520名
延べ研修総時間:約9,470時間
国内8社

グローバル人材育成

大塚ホールディングスでは、グローバル人材を育成するために、2020年よりビジネススキルが学べる国内外のグループ社員共通の学習プラットフォームを提供しています。そのほか、大塚グループ経営者からのメッセージを共有し、またコミュニケーションを図る場としてオンラインでの交流会「GEL Café」やウェビナーも実施するなど、大塚独自の取り組みを通じて世界中の社員がともに学ぶ場を提供しています。

グローバル人材の育成 世界の社員共通の学習プラットフォーム
「Global e-Learning Platform」の提供
延べ参加人数:6,650名
国内・海外87社
29ヵ国・地域の社員
  • ハーバード・ビジネススクール・パブリッシング・コーポレートラーニングが運営するHarvard ManageMentorを採用

グループ内外の連携を通じた人材育成

大塚グループでは、知識やノウハウをグローバルで共有することで、新たなイノベーションにつなげる取り組みを継続的に実施しています。例えば、ニュートラシューティカルズ関連事業・消費者関連事業では、研究開発とマーケティング領域の人材がグローバルに交流を図るワークショップなどを実施し、情報共有とアイデアの交換は参加者に新たな気付きや機会の発見をもたらす機会となっています。

大鵬薬品では、2016年米国に設立した自社コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じて、国内外の有望なバイオベンチャー企業やアカデミアとのネットワークを構築してイノベーションの創造につなげる取り組みを行っています。また、数年間、CVCへ出向させることによる人材育成も行っています。また、大塚化学では、グローバル展開に資する人材の発掘と育成、そしてダイバーシティ推進活動の一環として、2014年度よりグローバル人材交流制度を設けており、海外関係子会社の社員が一定期間来日して業務に取り組むなどの人材交流を行っています。

業種業態に即した各社での人材育成

大塚グループの多様な事業に応じて、各社の事業戦略や課題をもとに必要とされる研修を選定し、適宜実施しています。例えば、大塚製薬では、グローバルキャリアを目指す社員を対象に、さまざまな研修プログラムを実施しています。若手社員を対象にした公募制の研修ではグローバルビジネスに携わるマインドセットと異文化コミュニケーション、具体的な業務内容についてグローバルで働く社員から学ぶ機会を設けています。その他、海外赴任予定者を対象にした研修では1年間を通して赴任前準備を行い、メンバー同士のネットワーク構築を行っています。また大鵬薬品では、実施してきた女性経営人材の育成プログラムをグローバル経営人材育成として発展させ、多様な候補者の育成をはかる予定です。そして、大塚製薬工場では、階層別研修や選抜型研修を実施しており、今後は部門を担う人材育成のための中長期プログラムも実施する予定です。その他、大塚アメリカファーマシューティカル Inc.では、多岐にわたる役割を担うシニアリーダーに対して、能力開発を加速させるための体験型研修を実施しています。本研修では、社内外のステークホルダーと議論できる場も設け、大塚の目指す姿や企業文化への理解を深められる内容となっています。

業種業態に即した
各社での人材育成
階層別研修や必須研修だけではなく、
各社の事業戦略や課題に応じた研修を実施
プログラム数:548プログラム
実施回数:1,571回
延べ研修総時間:103,586時間/年
国内16社+海外4社
  • 次世代リーダー育成、管理職研修、階層別研修、評価者研修、新入社員研修などに費やした時間(実務に関連した研修を除く)

多様な研修制度

企業文化の伝承

企業文化・理念のさらなる浸透~100周年の取り組みを通じた人材育成~

100周年記念施設(社員研修施設)

2021年9月、大塚グループは創業100周年を迎えました。それに伴い、2021年9月からの1年間を「100周年Year」と位置づけ、歴史を学び未来を創る機会としてグループ全体でさまざまな取り組みを進めました。その一つとして、大塚グループ発祥の地である徳島に、100周年記念施設(社員研修施設)を開設しました。施設は大塚の文化を体感する展示棟と、未来を創る研修棟で構成され、これからの大塚を担う人材育成の場として活用していきます。また、グローバルのグループ社員を対象として、次の100年に向けて大塚が取り組むべき構想を募集する社員参加プログラム「Go for 2050 / DISCOVER NEW HEALTH」も実施され、世界中から多くの社員が参加しました。100周年Yearの最終月である8月には、最終選考を通過した「大塚らしい構想」を提出したチームによるプレゼンテーションが100周年記念施設で実施され、その模様は世界のグループ社員にもライブ配信されました。社員一人ひとりが未来に目を向け、新たなヘルスケアを真剣に考え行動する機会となったとともに、世界中のグループ社員が一つとなり、新たな1歩を踏み出しました。

発想の転換を促す「能力開発研究所」

"頑固な先入観を取り除き、創造的な人材を育成すること"
この言葉を実現し、自らがユニークな会社であり続けるために、1988年3月、グループ発祥の地、徳島に社員の研修施設として「能力開発研究所」を設立。当研究所のテーマである「発想の転換」を象徴する「巨大なトマトの木」をはじめとして、「実証と創造性」を具現化した3つのモニュメントを展示しており、新入社員は毎年この施設で研修を受けています。

キャリア自立支援

社内公募制度・自己申告制度

各社員の能力向上などを目的に各社ごとに社内公募制度※1、自己申告制度※2などの制度を設けています。

  • ※1会社が必要としているポストや職種の要件を社員にあらかじめ公開し、応募者の中から必要な人材を登用する仕組み。応募要件を満たす社員は、公募している会社に直接応募でき、両者の希望があえば異動できる。日本国内の大塚グループに勤務する社員に対しての公募制度。社員の能力やモチベーションの向上、グループ間の人材交流の活発化を目的としている。
  • ※2現在の職務状況、職場への意見や提案、キャリアプランの希望などを、人事部に申告できる制度。社員のさらなる能力開発、適正配置、職場環境改善などを目的に、年1回実施している。

人事インタビュー・上司・部下とのコミュニケーション

大塚製薬では人事部が全社員と個別の面談を行うことで、社員の声を直接聞きフォローできる人事部インタビュー制度を取り入れており、年間1,500人以上との対面による面談を実施しています。

また大鵬薬品では、人事部員のうち、10名以上がキャリアコンサルタントなどの資格を有し、社員各人が目指すキャリア開発のサポートを積極的に行っています。社内の有資格者とキャリア相談をする「キャリア相談室」からさらに一歩踏み出し、2021年より管理職向けの「キャリア面談ガイドブック」を配信し、上司と部下がオープンにキャリアについて対話できる仕組みへと発展させています。それらのベースとして、社員が深く自身のキャリアについて考えるツールとして内製で開発したキャリアデザインシートを展開し、広く活用されています。

  • キャリアコンサルタントとは、学生、求職者、在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職である。2016年4月に職業能力開発促進法にキャリアコンサルタントが規定され、国家資格となる。

外部機関を活用した学習支援

グループ各社では、外部機関のe-learningを活用した自己学習支援の導入などを実施し、社員が自己成長・自己実現できる機会を提供しています。

大塚化学では、さまざまな分野の試験費用・資格取得時の奨励金を支給する資格取得支援制度のもと、社員の能力や知識の向上を積極的にサポートしています。また大塚倉庫では、「よいインプットがよいアウトプットを生む」という考えのもと、挑戦したいと手を挙げた社員がビジネススクールを受講できる制度を設置しています。

社員への評価とフィードバックプロセス

グループ各社では、組織目標にもとづく個人の目標設定と上司によるフィードバックを半期ごとに実施しています。目標設定時には上司と面談を実施し、また社員の自己評価に対して上司が評価・フィードバックサイクルを回すことで人材育成につなげています。さらに、2020年より、社員の目標・評価、研修、優秀人材の抜擢、登用、育成など、人材データを一元管理するシステムを導入しています。2022年6月現在、グループ社員1万人強が使用し、人材育成や組織力の最大化を図っています。

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