医療関連事業

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まだ満たされない医療ニーズへの挑戦

精神・神経領域

「精神疾患」は厚生労働省が定義する5疾患のひとつであり、患者さんの増加は世界的にも課題となっています。しかしながら、精神・神経領域には、統合失調症、うつ病、双極性障害、アルツハイマー等数多くの疾患があるものの、その発症原因は解明されていないものが多く、研究開発が難しいといわれています。特に近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。また、治療への満足度も低く、患者さんやその家族は新たな治療薬を切望しています。大塚グループは、精神・神経領域を重点領域として取り組み、抗精神病薬「レキサルティ」や「エビリファイ メンテナ」、アルコール依存症患者における飲酒量を低減する治療薬「セリンクロ」等の治療薬を展開しています。また、治療薬のない領域へも積極的に取り組んでいます。その中でも、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)が社会課題となっています。アルツハイマー型認知症の患者さんの多くは、過剰行動、暴言、暴力などの行動障害(アジテーション)を起こすといわれており、こういった症状は患者さん自身や介護者の負担となり、生活の質にも影響を与えます。また、アジテーションは、介護施設への入居の可能性の上昇や認知症の進行にも関係しており、大塚グループでは、治療薬の開発に挑戦しています。

がん・がんサポーティブケア領域

がんは、日本における死因の第1位であり、医学の進歩に伴い診断・治療成績が年々進歩してきたものの、いまだに有効な治療法がなく完治が難しいがんが多いことも事実です。大塚グループは1970年代、世界的に汎用されていなかった経口投与できる抗がん剤を開発したパイオニアとしての実績のもと、現在もアンメット・メディカル・ニーズの多いがん領域を重点領域のひとつとしています。これまで臓器別に行われてきた化学療法や分子標的薬による治療に加えて、より一人一人のがんの特徴に合わせたゲノム医療や個別改良へと移行していく流れにも対応できるよう、遺伝子治療や細胞療法など新たな分野にも挑戦しています。今後も革新的な治療薬を一刻も早く患者さんに提供できるよう研究開発に努めていきます。

感染症

エイズ、マラリアと並ぶ世界三大感染症のひとつである結核は最も死亡者数が多い単一の感染症です。持続可能な開発目標(SDGs)の目標のターゲットにおいても2030年までに根絶する疾患として取り上げられています。結核は、世界全体で年間1,000万人以上が罹患し、145万人が死亡しているのが現状です。さらには、ストップ結核パートナーシップが行ったモデル分析によると、新型コロナウイルス感染拡大による外出規制等の社会封鎖によって、結核の診断や届け出の間引き等の問題から、結核死亡率が増加すると言われており、大きな問題となっています。
大塚製薬は、30年以上にわたる研究開発の末、抗結核薬「デルティバ」を創製しました。世界で約50年ぶりに開発された抗結核治療薬のひとつであり、WHOの治療ガイドラインでも推奨されています。また、この「デルティバ」が、新しい選択肢として、多剤耐性結核患者さんにとって一刻も早く必要である現状を踏まえ、ストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金(GDF:Global Drug Facility)と官民パートナーシップ契約を2016年に締結しました。同時に各国での薬事承認を進め、現在では各国政府や公的国際機関が展開するアクセスプログラム、アライアンスパートナーによるアクセス拡大により、2020年12月現在、110を超える国々で使用が推し進められています。
さらに、大塚グループでは、新たな多剤耐性結核治療薬(開発コード:OPC-167832)の研究開発も進めており、結核の撲滅向けて継続的な取り組みを行っています。

パートナーシップ

結核撲滅に向けて

グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」は、日本の高水準の技術とイノベーションを活用して、発展途上国を中心に蔓延する三大感染症や顧みられない熱帯病に対する医薬品・ワクチン・診断薬等の研究開発に資金を拠出するための、日本政府、民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラスト、国連開発計画が参画する国際的な官民パートナーシップです。大塚製薬は、2016年6月よりアソシエイト・パートナーとして参画しています。
また、結核の撲滅を目指し、世界保健機関(WHO)が推奨する結核治療レジメンのプロファイル(Target Regimen Profiles :TRP)を満たすべく、すべての結核患者さんが使用できる新規結核治療レジメン(Pan-TB regimen)の開発を加速するため、慈善団体、非営利団体および製薬企業による業種を超えた世界初のコラボレーション、「結核の新しい治療を加速するプロジェクト」(Pan-TBコラボレーション)に2020年2月より参画しました。

腎臓病への取り組み

常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)は、遺伝子の変異により両側の腎臓に多数ののう胞(液体が詰まった袋)が進行性に発生・増大し、腎臓が何倍にも大きくなり、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の難病・希少疾病です。大塚製薬はNPO法人日本腎臓病協会とADPKDに関する包括連携協定を締結し、ADPKDの疾患啓発および診療水準のさらなる向上を図っています。
また、腎臓分野における若手研究者の基礎研究の実用化を目指した共同事業契約を締結し、日本腎臓病協会がアカデミアと企業および行政等が連携しうるプラットフォームとして立ち上げた「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を活用して、アカデミアからの創薬研究テーマの公募を実施しています。採択された研究テーマに関しては、各研究機関と大塚製薬の間で共同研究契約を締結し、研究を行います。

より多くの患者さんへ医薬品をお届けする取り組み(Access to Medicine)

抗結核薬「デルティバ」のアクセス拡大の取り組み

いまだ世界で大きな課題である結核撲滅に向け、より多くの患者さんに対してデルティバへのアクセスを拡大する取り組みを進め、2016年から40,000症例分を超える薬剤を出荷。

  • 各国・公的国際機関が展開するアクセスプログラム
    • UNITAID(国際医薬品購入ファシリティー)が展開するendTBプログラム
    • 南アフリカ、インド政府が展開するアクセスプログラム
  • コンパッショネートユースプログラム*によるアクセス
    • 19ヵ国 約200例強の患者さんに供給(ERJ, 2020**)
  • ストップ結核パートナーシップのGDF(世界抗結核薬基金)からの供給(2016年2月から)
  • アライアンスパートナーからのアクセス
    • R-Pharm社との提携(対象国:ロシア・CIS諸国など)
    • マイラン社との提携(対象国:インド・南アフリカ・結核高蔓延国)

「命を脅かす疾患などの患者に例外的に未承認薬へのアクセスを可能とする公的制度」

※※Ghosh S et al., Eur Respir J. 2020 Nov 26; 2002483.

医薬品の適正価格での提供と医療を取り巻く環境整備に配慮した取り組み

大塚グループでは、医薬品アクセスの向上に貢献すべく、まだ満たされていないニーズを満たす治療薬や輸液の研究開発・展開に取り組んでいます。さらに、医薬品の展開においては、適正価格での提供等、医療を取り巻く環境整備等にも配慮した取り組みを行っています。
例えば、基礎的医薬品(臨床上の必要性が高く将来にわたり継続的に製造販売することが求められている医薬品)※と定義されている輸液では、現地製造によって各国での適正価格での提供や雇用創出など、地域社会への貢献にもつながっています。技術力の違いなどから地製造により医薬品を供給する日本の製薬会社が多くは存在しない中、「富める人から貧しい人まで等しく医療を受けられるように、その国や地域にあった適正な価格で医薬品を提供したい」という考えのもと、現地での輸液製造にこだわっています。
※医薬品産業ビジョン2013(厚生労働省)

治験薬へのアクセスの拡大

既存の治療法では十分な有効性を望めず、また、患者さんの状態が治験に参加するための基準の対象外となるために、治療選択肢となりうる治験薬の投与を受けることもできないような患者さんがおられます。大塚グループでは、Expand Access Programを通じて、医師からの申請に基づき定められた条件を満たす場合、治験参加基準から外れた患者さんに対しても治験薬の提供を可能にし、治験薬へのアクセス拡大につなげています。

Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.(OPDC)の取り組み

患者さんが臨床試験に参加されることは望ましいことですが、治験への参加が常に可能であるとは限りません。このような場合、OPDCでは治験薬への患者さんのアクセスを可能にしています。Compassionate Useとしても知られるこの方法は、臨床試験での使用以外で、FDAによって承認されていない治験薬を患者さんに提供するものです。OPDCでは、他に有効な治療法がない患者さんを治療している医師からの 「Expanded Access」への要望を受け入れています。

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Taiho Oncology Inc.の取り組み

同様にTaiho Oncology Inc.では、がん患者さんの治験薬へのアクセスが可能になるよう取り組んでいます。治験への参加を希望するすべてのがん患者さんにその機会を提供できることが望ましいですが、常に可能であるとは限りません。このような場合、Taiho Oncology Inc.では、「Expanded Access Program」を通じて、臨床医からの治験薬使用の事前承認申請を受け付け、治験薬への患者さんのアクセスを可能にしています。

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患者サポートプログラム

大塚グループでは、一部の国や地域において、患者さんが大塚グループの特定の製品を購入する際に、患者さんやケアギバーの方々が支援を受けられる様々なプログラムを実施しています。

The Otsuka Patient Assistance Foundation, Inc. (OPAF) の取り組み

OPAFが取り組んでいるOtsuka Patient Support™では、患者さん、介護者、医療従事者のためのリソースやツールとサポートチームを組み合わせて、患者さんを支援しています。

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Taiho Oncology Inc.の取り組み

TAIHO ONCOLOGY,INC.では、患者サポートプログラム(Taiho Oncology Patient Support™)を実施し、ロンサーフによる治療を始めるにあたり、保険の確認、治療費の援助、治療計画の支援などのサービスを、患者さん、介護者、医療関係者の方々に提供しています。

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患者、患者家族、ケアギバー向け資料の提供

大塚グループが取り組む製品領域において、患者さん、患者さんの家族、ケアギバーの方々に、疾患の理解を深めることや、患者さんの診療をアシストすることを目的とした様々な資料や情報を提供しています。

患者さん、患者さんご家族等への情報提供

大塚グループが取り組む製品領域において、患者さん、患者さんのご家族、ケアギバーの方々に、疾患の理解を深めることや、患者さんの診療をアシストすることを目的とした様々な資料や情報を提供しています。

Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.の取り組み

患者さん、患者さんのご家族、介護者の方々が、疾患についてより理解を深めるための教育用資材をオンラインで提供しています。

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大鵬薬品の取り組み

20~TWENTY~

大鵬薬品は、医療関係者の方が患者さんへの診療アシストとしてご活用いただける様々な資材の作成、提供を行っています。2016年より配布している、「20~TWENTY~」は、AYA世代(10代、20代)を中心としたがん治療を受ける方、またそのご家族・友人等一緒に生活していく人たちに向けてつくられたものです。外見上の悩みに対するHow toだけではなく、今の気持ちがどうしたら前向きになれるのか、日常生活のなかで乗り越えなければいけないことをどうしたら解決できるのか、そのヒントになればという願いで医療関係者に提供しています。

がん患者さんのための妊孕性温存
ハンドブック子供をもつことを考える

2017年には、「がん患者さんのための妊孕性※温存ハンドブック 子供をもつことを考える」という冊子を発刊しました。近年の医療の進歩によりがんは治癒したり、治癒しなくとも、以前より長く生存できる時代になってきたと同時に、妊孕性温存技術も向上しています。この冊子を通して、がん治療前に患者さんが妊孕性温存についての知識を得ることで、将来子どもを持つという「患者さん個々の希望」に可能性が残されるということを是非知っていただければと思います。そして、その上で納得した治療を受けられることを願っています。

※妊孕性:“妊娠しやすさ”や“妊娠するちから”

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Sozosei財団の設立

米国のグループ会社であるOtsuka America Pharmaceutical Inc, は、Sozosei(=創造性)財団を2019年に設立しました。本財団は、米国における医療課題の周知、医療・健康関連の情報発信や教育促進、関連団体への貢献等を目的としています。精神・神経領域や腎領域における支援に加え、災害支援活動や地域社会への貢献等を中心に行っています。2020年度には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける患者さんやそのご家族、医療従事者へ対応するため寄付を行っています。

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