CFOメッセージ

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第3次中期経営計画の進捗状況

計画骨子

第3次中期経営計画を「独自のトータルヘルスケア企業として世界に躍進する5年間」と位置づけています。
医療関連事業とニュートラシューティカルズ(NC)関連事業において、「既存事業価値の最大化と新たな価値創造」、「資本コストを意識した経営の実践」に取り組むことで持続的な成長を維持し、成長投資と株主還元の両立に注力していきます。

事業の進捗状況

医療関連事業の本中計期間中の業績目標は、5年間でグローバル4製品の売上収益2,000億円の増収、上市予定の新製品群900億円の増収を目指し、本中計最終年度の2023年には1兆800億円を計画しています。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大により、医療機関への受診抑制や手術件数の減少、病床稼働率の低下等で、輸液や一部の治療薬は影響を受けましたが、グローバル4製品(「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「サムスカ/ジンアーク」、「ロンサーフ」)等の売上収益の増加が業績を牽引したことにより、当初計画より速いスピードで進捗しています。
今後も引き続きニューノーマルに適応できるようなさまざまな取り組みを進め計画達成を目指しています。
NC関連事業は、主要3ブランド(「ポカリスエット」、N&S社製品、「ネイチャーメイド」)、育成3ブランド(「ボディメンテ」、「エクエル」、デイヤフーズ社製品)で高い目標を掲げて取り組んでいます。2020年度は、人々の予防を中心とする健康意識が高まる中、NC関連事業のブランドに対して高評価が得られ多くの消費者に「ネイチャーメイド」、デイヤフーズ社製品が選ばれました。特にデイヤフーズ社のプラントベース食品の売上収益は市場の成長性を上回り拡大しています。
NC関連事業は多様な製品、事業を持つことで、外部環境の急激な変化に対しても対応力を発揮することができ、中・長期的に安定した事業活動に貢献しています。

第3次中期経営計画の業績目標

第3次中期経営計画の中間年度(2021年度)の計画

2021年度は第3次中期経営計画の中間年にあたり、売上収益は、中期経営計画における1兆5,000億円に対して5.1%減収の1兆4,230億円を計画しています。
一方で、事業利益は、グローバル4製品とNC関連事業の成長から、中期経営計画比で18.8%増益の1,900億円を計画し順調に推移しています。

企業価値向上に向けた取り組み

第3次中期経営計画で掲げた「既存事業価値の最大化と新たな価値創造」の目標を達成するには、既存事業のオーガニックな成長と新たな価値創造のための持続的な投資のバランスが重要であると考えています。大塚グループ全体で「資本コストを意識した経営の実践」の浸透を図ることで既存事業のキャッシュ・リターンの最大化と成長投資へのアロケーションと財務基盤の強化により、安定継続的な株主還元を実践していきます。

財務戦略の枠組み

ROICマネジメントによる既存事業の価値最大化の推進

第2次中計期間中に「エビリファイ」のパテントクリフを脱却するために収益構造の多様化を推進したことで、2020年度の事業利益は、東証一部上場以来の最高益を達成し、パテントクリフ前の水準まで業績が回復しました。一方、新型コロナウイルス感染拡大による外出機会の減少等を受け、当社の業績にも一定の影響がありました。事業継続において大塚の医療関連事業とNC関連事業の両輪の事業ポートフォリオが不測の事態に伴う事業リスクの軽減と持続的な成長投資に重要であることを改めて認識しました。
ROICは、グループ全体で資本コスト(5.5%)+1%以上を基準としています。事業リターン最大化の施策に加え、事業性資産の効率化と見直しを図り、KPIを事業特性に応じて設定します。このような取り組みに加え、既存事業価値の最大化を図るべく、業績に連動したインセンティブ制度を導入することで、全社的なROICマネジメントの浸透を図っています。

新たな価値創造をサポートする財務戦略の枠組み

第3次中計期間中は、多様化した収益構造を次の成長投資へつなげるための製品ライフサイクルと事業ポートフォリオのマネジメントを強化することで、バランスシートを意識したキャッシュベースのリターン最大化とアロケーションの最適化を目指しています。
主なキャッシュ・アロケーションの取り組みとして、医療関連事業では、グローバル4製品から得られるキャッシュに加えて、既存上市品の販売管理費比率をコントロールすることでコストを最適化し、さらなるキャッシュ創出を目指しています。獲得したキャッシュは、精神・神経領域、がん領域、循環器・腎領域における製品・パイプライン強化を目的とした持続的な研究開発投資を実施し、治療薬がまだない疾患、「Abilify MyCite®」をはじめとする医薬品とデジタルテクノロジーを融合させた新たなコンセプトや、新たなアプローチとなる超音波腎デナベーション治療等の医療機器事業等、未充足な医療ニーズへの「新たな価値創造」への投資に使われています。
また、輸液事業は、日本市場での製造技術・製品品質の改良と合理化による安定的なキャッシュ創出を海外成長市場での展開につなげていくことを目指しており、事業領域別だけに限らず、市場エリア別への再投資再配分を実施しております。
NC関連事業に関して、主要3ブランドは成熟市場で安定したキャッシュを獲得し、新カテゴリーの創出と新エリアへ再配分しています。育成3ブランドは、積極的な投資により製品価値の訴求によるブランド構築と生産・販売体制の強化を推進しています。
大塚グループは、日々の健康の維持・増進、疾病の診断から治療までのトータルヘルスケアの考えのもと、イノベーションにより社会に貢献することを大切にしており、大塚グループの企業理念に合致し、かつ、大塚グループの企業価値向上と社会貢献を実現するための投資案件であれば、挑戦を厭わない姿勢に変わりはありません。
これらの成長投資資金の源泉は、原則、事業からのキャッシュ・リターンによる再投資、また、欧米、日本を中心に大塚グループ内の資金融通による安定的な資金供給の構築により賄われていますが、事業リスク、格付け、投資家の期待収益率などを勘案し特定の資金調達手段に偏ることなく最適資本構成に基づき総合的に判断しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化した場合にも備え、社債発行、コマーシャルペーパー枠、コミットメントラインを通じた金融機関からの資金調達など多様な調達手段を確保しています。
コーポレート部門は全社的な事業基盤を整備することで、コスト効率化と円滑な事業推進をサポートする取り組みを行っています。具体的には、日本を中心にグループの間接部門業務のシェアードサービスの拡充とIT基盤の整備、間接部門の購買の標準化を図ることで、業務とコストの効率化を推進しています。また、コーポレートガバナンスコードに基づく政策保有株式の見直しや、遊休資産の活用および売却による資産効率化も進めています。
株主還元につきましては、安定配当を行うことを基本としています。配当の継続性と安定性を重視しつつ、成長投資に必要な内部留保や財務状況、最適資本構成を総合的に勘案し、利益成長に応じて追加の株主還元も検討していきます。
これらの「資本コストを意識した経営の実践」への取り組みを全社横断的に推進することで、より一層の事業リターンと資本効率を追求してまいります。

2021年6月10日
取締役 CFO

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