対処すべき課題

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経営環境及び対処すべき課題

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業活動の制限や消費機会の低下により、当社グループの事業活動にも一定の影響を受けました。一方で、従業員の安全確保と事業活動継続に取り組み、安定して製品を供給できる体制を維持してまいりました。今後の事業及び業績への影響については、長期化した場合も想定し引き続き注視してまいります。

一方、根本的なヘルスケア業界を取り巻く事業環境は、高齢化、高額医薬品の発売、感染症対策等による医療費の増加傾向が続き、日米欧諸国において、治療に対する医療コストへの関心が高まっています。限られた財源の中で、医療指針が医療コストと治療効果のバランスの中で捉えられ、薬価制度の改革やジェネリック医薬品の浸透が進む一方、AI、機械学習や遺伝子治療等の新テクノロジーが台頭してきています。このような中、病気に対する日々の予防を含む健康への意識が一段と高まっております。当社グループは“大塚だからできる”新たな社会への貢献に引き続き取り組むとともに、これらの健康意識の高まりを成長機会と捉え、持続的成長の実現に向けて進んでまいります。

大塚ホールディングスは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、「流汗悟道」「実証」「創造性」という経営の真髄に基づき、ユニークかつ多様な事業と世の中の真のニーズ・インサイト、サイエンスやテクノロジーを有機的に結合させることから生まれる新しいコンセプトや、多様な事業との重なりや派生、ニッチな領域の開拓により新たな価値を創造してきました。引き続き、日々の健康の維持・増進、疾病の診断から治療までを担うトータルヘルスケア企業として、顕在化しているが満たされないニーズと消費者が気付いていないニーズに対し、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業の独創的な製品を提供することにより、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指してまいります。

医療関連事業は、“大塚だからできる”新領域での挑戦、未充足な医療ニーズの解決と独創的かつ多様な研究基盤からのイノベーション創出により、課題解決に向けた様々な取り組みを進めています。治療満足度の低い疾患が多く残されている精神・神経、がん、循環器・腎領域を中心に、多様な事業のシナジーを活かした独自のアプローチにより、革新的な新薬の創出を目指します。また、医療の最適化に向けた体系的なソリューションについて挑戦しています。さらに、アライアンスやオープンイノベーション、ベンチャーキャピタルとの協業等による創薬基盤の強化、創薬モダリティの多様化に取り組み、持続的な進化と成長を目指してまいります。

ニュートラシューティカルズ関連事業は、健康への意識が高まる中、医療関連事業で培われたノウハウを活かしながら、顕在化されていないニーズや社会課題に対して新しいコンセプトのソリューションを提案し、世界の人々の健康維持・増進による健康寿命の延伸に貢献することを目指します。グローバルにおける環境変化を見据え、最新のサイエンスやテクノロジーと独自のビジネスモデルを組み合わせて、新たな価値の創造、新カテゴリー・新エリア展開への挑戦を進めます。健康を取り巻く様々な社会課題に対して、課題の顕在化から啓蒙活動を継続的に実施し、各ブランドからそのソリューションをこれからも提案し続けます。さらに外部機関との連携を強化し、これらの活動を推進してまいります。

新型コロナウイルス感染拡大に関する当社グループの現状と、今後懸念される経営リスクは、以下のとおりです。

(販売) 医療関連事業においては、外出自粛等に伴い外来患者の来院数が減少している一方、慢性疾患において長期処方が増加する傾向がみられます。今後、これらの状況が長期化もしくは深刻化した場合には、医療施設への訪問規制や疾患啓発活動の自粛に伴う新規処方の減少や、来院を要する注射剤等の処方減少がさらに進み、売上収益にも影響を及ぼす可能性があります。医療関連事業以外においては、一部の製品について、健康意識の高まりや家庭内消費の増加、通信販売の利用増加等により需要が増加している一方、外出自粛に伴う屋外活動の制限等による消費機会の低下もみられます。今後、新型コロナウイルス感染拡大が長期化もしくは深刻化した場合には、営業活動の自粛や制限に伴う新規顧客の獲得減少や消費機会の消失により、売上収益にも影響を及ぼす可能性があります。

(生産) 原材料の調達は、一部の輸入品に遅延がみられますが、概ね順調に確保できています。生産活動は一部のラインで従業員の自宅待機等により一時的に生産が停止しましたが、現在はほぼ復旧し、人員確保も含め順調に稼働しています。今後、新型コロナウイルス感染拡大が長期化もしくは深刻化し、原材料調達に停滞が生じた場合、あるいは生産工場内でのクラスター発生が生じた場合等には、一部製品の供給の遅延も考慮する必要があります。

(研究開発) 臨床試験を実施している開発品の一部においては、治験実施施設の立上げや患者登録を中断していましたが、徐々に再開しています。患者登録等の中断もしくは遅延が深刻化した場合には、臨床試験の進捗や製造販売承認申請時期等の開発戦略を変更する可能性もあります。研究活動については、外出規制等の影響もあり、これらの状況が長期化もしくは深刻化した場合には、研究活動の減速により、中長期での新製品上市時期が遅延する可能性もあります。

以上のとおり、新型コロナウイルス感染拡大による当社グループ事業への影響を多岐にわたり想定しておりますが、経営リスクを予め十分認識した上で個々に万全の対策を取り、企業価値の向上及び第3次中期経営計画の達成を図ってまいります。

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