サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目指して -ビジネスパートナーへの再生可能エネルギーを供給-
2024年10月29日
大塚ホールディングス株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO: 樋口達夫)は、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目指し、ビジネスパートナーへ再生可能エネルギーの供給を始めました。当社が調達した再生可能エネルギーの大塚グループ外への供給は今回が初めてとなります。
大塚グループは、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにする2050年環境ビジョン「ネットゼロ」を掲げており、自社の生産活動、さらにはサプライチェーン全体での環境負荷の低減の取り組みを行っています。本ビジョンに向けて、統合エネルギーサービス体制を構築し、再生可能エネルギーの一括調達やグループ内で発電した電力のグループ事業所への供給などをはじめ、エネルギー利用効率の最大化を図り、事業の成長と環境への対応の両立を推進しています。このたび、グループ製品の容器の一部を生産委託しているビジネスパートナーへ再生可能エネルギーの供給を開始し、サプライチェーン全体での環境負荷低減に向け更なる取り組みを進めます。
現在企業には、製品の調達から生産、販売、物流、消費、廃棄に至るまでのサプライチェーン全体において、自社の直接排出(スコープ1、2)だけではなく、サプライヤーや顧客等の活動によるCO2排出量(スコープ3)の削減も求められています。大塚グループ(国内5社(*1))のスコープ3の排出は総排出量の大半を占めており、これまでもビジネスパートナーと環境負荷低減の取り組みを進めてきました。
このたび、ビジネスパートナーへの再生可能エネルギーの供給による環境負荷低減を定量的に把握するために製品のカーボンフットプリント(*2)の評価(*3)を実施しました。
再生可能エネルギーで製造した場合のカーボンフットプリント値の比較
■オロナインH軟膏 100g瓶(内容物を除く)
オロナインH軟膏は皮膚疾患・外傷治療薬です。100g瓶製品では、調達から生産段階までのカーボンフットプリント値は従来品と比較して43.6%削減(*5)効果がありました。調達段階では41.1%削減され、これは再生可能エネルギーを導入したビジネスパートナーによって製造された容器(瓶)、及び、その他の調達先から仕入れた容器包装材料(ラベル、瓶のふた、箱など)のカーボンフットプリント値を含みます。生産段階では、株式会社大塚製薬工場の再生可能エネルギー導入(*6)により、74.2%削減効果がありました。
■エルネオパNF2号輸液 1000mLソフトバッグ(内容物を除く)
エルネオパNF2号輸液は高カロリー輸液用キット製剤です。1000mLソフトバッグ製品では、調達から生産段階までのカーボンフットプリント値は27.4%削減(*6)効果がありました。調達段階では6.0%削減され、これは再生可能エネルギーを導入したビジネスパートナーによって製造された一部容器(MPポート:上図赤丸)、及び、その他の調達先から仕入れた容器包装材料(容器フィルムなど)のカーボンフットプリント値を含みます。生産段階では、株式会社大塚製薬工場の再生可能エネルギー導入(*5)により、92.4%削減効果がありました。
■ラクテック注 500mLソフトバッグ(内容物を除く)
ラクテック注は乳酸リンゲル液です。500mLソフトバッグ製品では、調達から生産段階までのカーボンフットプリント値は12.1%削減(*7)効果がありました。調達段階では6.7%削減され、これは再生可能エネルギーを導入したビジネスパートナーによって製造された一部容器(NCポート:上図赤丸)、及び、その他の調達先から仕入れた容器包装材料(容器フィルムなど)のカーボンフットプリント値を含みます。生産段階では、株式会社大塚製薬工場の再生可能エネルギー導入(*5)により、92.5%削減効果がありました。
大塚グループは、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにするという2050年環境ビジョン「ネットゼロ」を掲げています。また、マテリアリティのひとつとして「地球環境への負荷低減」を特定しており、「カーボンニュートラル」では、スコープ3における2050年カーボンニュートラルに向け取り組みを進めています。今後も新しい技術やソリューションの活用を通じ、ビジネスパートナーと協働し、環境負荷低減の取り組みを進め、脱炭素社会ひいてはサステナブルな社会の実現への貢献を目指してまいります。
*1 大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業、大塚化学、大塚食品
*2 カーボンフットプリント: 製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組み
*3 株式会社ウェイストボックス支援のもと算定
*4 調達から生産まで(Cradle to Gate):43.6%削減、調達から廃棄まで(Cradle to Grave):29.1%削減
*5 2019年導入
*6 調達から生産まで(Cradle to Gate):27.4%削減、調達から廃棄まで(Cradle to Grave):24.0%削減
*7 調達から生産まで(Cradle to Gate):12.1%削減、調達から廃棄まで(Cradle to Grave):9.9%削減
*8 大塚製薬、大鵬薬品 医療用医薬品包装に使用されるPTP包装廃材のマテリアルリサイクルを開始
*9 大塚製薬 脱炭素社会の実現を目指し東京都の航空貨物輸送でのSAF活用促進事業に荷主企業として参画