基本的な考え方
地球温暖化による気候変動は、生物資源や水資源に多大な影響を及ぼすなど、世界規模での環境問題が顕在化しており、グローバルに事業を展開していくうえで、気候変動の問題は重大なリスクとして認識しています。大塚グループは、脱炭素社会の実現に向け、パリ協定で定められた国際的な目標・指標に基づき事業バリューチェーン全体で温室効果ガスの排出量を削減し、持続可能な社会の実現を目指していきます。
目標
大塚グループでは、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにするという環境ビジョン「ネットゼロ」を掲げ、目標を2028年までにCO2排出量50%削減(2017年比)に上方修正※1するとともに、RE100への参画や、脱炭素に向けた活動を推進しています。今後はさらにカーボンニュートラル達成に向け、グループ会社間の協働による相乗効果を発揮し、積極的に取り組んでいきます。
- ※1旧目標:2030年CO2排出量30%削減(2017年比)
- ※2CO2フリー電力と再エネ自己創出の合計
カーボンニュートラルに向けた取り組み
RE100イニシアチブへの賛同
大塚グループは、2022年4月に事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。脱炭素社会への移行に向けて事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにするという2050年環境ビジョン「ネットゼロ」に基づき、CO2排出量削減に積極的に取り組んでいきます。
インドネシア グループ4社※によるCO2フリー電力の導入
海外での事業活動において、医療、NC関連および化学事業を行うインドネシアは、日本に次いでCO2排出量が多い地域です。大塚グループでは、地熱発電由来のCO2フリー電力を導入することにより、インドネシア国内では、年間約60%のCO2排出量が削減される見込みです。今後も国内外における再生可能エネルギーの導入拡大や、エネルギー利用の最大化の推進を図り、グループ会社間の協働による相乗効果を発揮することで、脱炭素社会の実現、ひいてはサステナブルな社会の実現への貢献を目指していきます。
- ※PT大塚インドネシア、PTアメルタインダ大塚、PTウィダトラバクティ、PTラウタン大塚ケミカル
再生可能エネルギーの導入とエネルギー利用効率の最大化に向けた取り組み
大塚グループは2022年、気候変動に関する目標を2030年から2028年に前倒しし、さらにSCOPE1,2の目標値を従来の30%(2017年比)から50%(2017年比)に上方修正しました。また、使用するすべての電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指すイニシアチブ「RE100」に加盟しています。大塚グループではこの目標の達成に向け、CO2フリー電力の導入や太陽光発電設備の設置などによる再生可能エネルギーの活用、コージェネレーションシステム※1によりグループ各社へ効率性の高いエネルギーを供給することで、グループ全体のエネルギー利用効率の最大化などに取り組んでいます。国内では、グループ5社※2における全23工場および全オフィス部門の外部から購入するすべての電力に、100%再生可能エネルギー由来電力への切り替えを完了し、購入電力のうち再生可能エネルギーの割合は約61%となりました。また、海外の排出量削減に着手し、2022年4月にはインドネシアでグループ4社※3がCO2フリー電力を導入し、インドネシア国内では年間の60%に及ぶ、約103,500t-CO2排出量が削減されました。インドでは2022年6月に大規模太陽光発電設備を導入し、年間約14,500t-CO2排出量の削減を見込んでいます。
- ※1天然ガス、LPガスなどを燃料として、エンジン、タービン、燃料電池などの方式により発電し、その際に生じる排熱も同時に回収することで、熱と電気を無駄なく利用するシステム
- ※2大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品、大塚化学、大塚食品
- ※3PT大塚インドネシア、PTアメルタインダ大塚、PTウィダトラバクティ、PTラウタン大塚ケミカル
新しい統合エネルギーサービス体制の構築
大塚グループでは、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにする2050年環境ビジョン「ネットゼロ」の取り組みの一環で、大塚グループ新電力(小売電気事業者)としての新しい統合エネルギーサービス体制を構築しました。これにより発電事業者などから再生可能エネルギー電力の調達や、自社グループ内で発電した電力を効率的に大塚グループ事業所内に供給を行います。
大塚製薬と大鵬薬品「Science Based Targets(SBT)※1イニシアチブ」の認定を取得
大塚製薬、大鵬薬品は、温室効果ガス削減目標について、Science Based Targets(SBT)イニシアチブから認定を取得しました。
この新たな目標の達成に向けてエネルギー利用の最適化や再生可能エネルギーの導入などを実施し、引き続きバリューチェーン全体での温室効果ガス削減を推進していきます。
2030年目標
温室効果ガスの排出量(スコープ1※2+2※3)を2017年比で30%削減
温室効果ガスの排出量(スコープ3※4)を2017年比で20%削減
- ※1UNGC、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)による国際的なイニシアチブ。パリ協定が目指す世界の平均気温上昇を「2℃未満に抑える」の達成に向け、科学的根拠に基づく削減シナリオと整合した企業のCO2排出削減目標を認定。
- ※2スコープ1:直接排出
- ※3スコープ2:エネルギー起源の間接排出
- ※4スコープ3:そのほかの間接排出
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同表明
大塚グループは、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)」提言への賛同を表明しました。今後気候変動が事業にもたらすリスクや機会についての分析と対応を進めてまいります。
- ※1The Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略